脱水と失禁
■高齢者と脱水
高齢者は、消化管の蠕動運動が低下し、水分摂取が少なくなると脱水症状になりやすくなります。
感染・発熱・水摂取制限などのほか、利尿剤の過剰作用の場合に起きたりします。
高齢者は、ささいな病状や疾患によって、比較的容易に脱水症状を起こす場合がありますので、下痢や嘔吐、発汗があった場合は、
必要な水分量を充分に補給するようにしなければなりません。
水摂取制限(不能)の原因には、脳血管障害や悪性腫瘍によるものがありますが、中には頻尿や失禁を恐れるがあまり、
自分で水の摂取を制限している場合もあるので、注意が必要です。
高齢者に、急激な体調の変化が起こった場合は、まず脱水を疑ってください。
■高齢者と失禁
尿失禁には、以下のタイプがあります。
・腹圧性尿失禁(くしゃみや咳などをした時の失禁)
・反射性尿失禁(脊髄損傷)
・切迫性尿失禁(脳血管障害)
・機能性尿失禁(認知症)
・排尿後尿失禁(自律神経失調)
・溢流性尿失禁(尿閉)
高齢者による失禁は、不潔になるというだけでなく、恥ずかしいという、精神的な苦痛も伴います。
紙おむつは、長く続けていると、垂れ流しの原因になりますので、尿意がはっきりしている場合は、排尿誘導をするようにしてください。
排尿誘導の設備・器具やポータブルトイレを利用し、おむつに頼らないことが大切です。