精神障害

■精神障害とは?
老人性痴呆疾患に多く見られる精神症状には、様々な種類があります。
老年性幻覚妄想状態、老年性躁鬱状態、老年性神経症、老年性人格障害などがあり、それらを総称して精神障害と呼びます。

■老年性幻覚妄想状態
初老期または老年期に初発し、幻覚や妄想を起こす疾患のことです。
原因は不明で、男性より女性の方が2倍以上という現実があります。
身体的、精神的なストレスから誘発することが多いのが特徴です。
症状としては、幻聴が多く、また「体を触られる」という体感幻覚を訴える場合もあります。
老年性幻覚妄想状態は、人格変化や思考過程の乱れが少なく、予後は好調な症例が多いです。

■老年性躁鬱状態
初老期(50歳から64歳)に発症する例が多いです。
遺伝などの関与は少なく、配偶者や親しい人が亡くなったり、退職に伴う社会的地位の喪失感、引越し、身体疾患などに起因する、心理・ 身体的要因が発症の契機となることが多いです。
不安や焦燥感が強く、わずかな身体的不調にこだわったり、妄想を形成しやすいという特徴があります。