ソーシャルワークについて
■ソーシャルワークの起源
ソーシャルワークとは、簡単に言えば「慈善事業を職業とする職種」のことです。
19世紀後半の欧米で生まれた概念です。19世紀後半の欧米は、資本主義社会が生み出した格差社会によって、大都市圏での貧困問題、
慢性的な失業問題、犯罪、少年非行の増加などの社会問題が慢性化していました。
その中で、主としてボランタリーな活動であった慈善事業を、次第に職業として担う人々が生まれ始め、これが「ソーシャルワーカー」
と呼ばれる職種となったのです。
やがて、救貧院などの施設への画一的な収容主義をとっていた公的な貧困層の救済に対して、組織的、個別的、
科学的な判断に基礎を置くことが主張され、「ソーシャルケースワーク」と呼ばれる、ソーシャルワークの基本的方法が生まれたのです。
■ソーシャルワークの認知
このように、イギリスで始まったソーシャルワークは、アメリカに広まり、全国展開がなされました。セルツメント運動と呼ばれる、 小集団を基本とする支援活動の実践と、理論化の始まりとなり、ソーシャルグループワークという分野が形成されていきました。
こうして、1930年のアメリカにおいて、ソーシャルケースワーク、グループワークを軸として、ソーシャルワークという専門的知識・
技術が体系化され、認知されるようになったのです。
これが、今日のケアマネジメントの考え方の基礎を作ったのです。